・想定する世界:一貫して中立を守り続ける日本
 →支那事変はどうするのか?そもそも起きない?
・支那事変は1939年まで起きない

1937年7月7日、北平郊外豊台附近で演習中であった日本軍に向かって、数発の弾丸が発射された。後に盧溝橋事件と呼ばれるようになるこの事件を発端として、日本軍支那駐屯軍と国民革命軍第29軍の間で武力衝突が始まる。この報を受け蒋介石は、即座に戦闘を停止し事変の不拡大を命じた。これにより、日本軍は北支駐兵権の拡大と引き換えに戦闘行動を停止することとなる。しかし日中間の対立は留まるところを知らなかった。8月、上海にて日本の海軍陸戦隊と国民革命軍との間で軍事衝突が発生。列強の租界が中立を貫く中日本政府と参謀本部の石原莞爾参謀は不拡大を命じ、派兵は海軍陸戦隊少数にとどまった。結果的に日本側は勝利したものの、上海陸戦隊は圧倒的不利な中での防衛戦闘を強いられ、死傷2000人以上を出した。
この後も日中対立は続き、38年2月の煙台事件(山東省煙台で日本人居留民が惨殺された事件)や同年8月の第二次綏遠事変(関東軍の統制下にある察哈爾省の王英軍が、綏遠省に侵攻した事件)など、武力衝突や暴動などが相次いだ。この過程で支那駐屯軍はその駐屯領域を再び縮小し、北京議定書で認められた駐兵権のみを行使する形となった(即ち塘沽協定以後の現地協定の無効化)が、関東軍は第二次綏遠事変の結果として綏遠省をその影響下に収めるなど活発な侵略を続けた。そして世界が破滅へと突き進む中、遂に両国の民族主義感情は爆発することとなる。
1939年8月、関東軍第23師団は興安北省ノモンハン附近にて5月に続いて2回目の赤軍の攻撃を受ける。これに対し第23師団は奮闘したものの、衆寡敵せず敗退した。ここに増援兵力を加えて赤軍に一撃を加える案が陸軍内部で検討されたものの、そんな中に衝撃の報が飛び込む。防共協定を結んでいたドイツがそれを反故にしソ連と不可侵条約を結んだというものである。かねてより蒋介石政権に軍事援助を行っていたドイツに対する不信感は、特に陸軍の「支那通」の中で払拭しきれないレベルにまで拡大しており、一週間もたたないうちに時の平沼騏一郎内閣は「日独両国間に結ばれたる防共協定は今次の行動にて白文化せり」と声明を発した。
欧州におけるドイツの行動に呼応して、蒋介石は今こそ抗日実行の時と決断する。彼は麾下の上海兵団に日本人租界攻撃命令を発し、第三次上海事変がここに幕を開けた…。
(支那事変は2年遅れでスタート。以下史実との相違点を列挙)
・アメリカは欧州では連合よりの行動を取るが、日本を敵対視しているため支那事変に目立った介入を行うことはない。結局終始中立を守る。
 ・その結果中国は援蒋ルートの支援を受けられず、兵力を損耗。日本側の積極攻勢作戦により42年には蒋介石の実効支配する拠点は四川省の一部と西康省のみとなり、事実上日本の勝利に。
 ・中華民国が消滅したことによりアメリカは日独双方に強硬な態度を取ることとなる。特に日本に対してはフィリピンにまで艦隊を進出させるなどかなり挑発的に。
 ・しかし日本が欧州大戦不介入を宣言したこと(アジア・モンロー主義声明)、ドイツの敗勢が決定的になったことなどから日米は戦後秩序を見据えて接近を始める。
・WW2の展開は史実とほぼ同じだが、ノルマンディー上陸作戦は起こらない。ただし7月20日事件は成功し、ルートヴィヒ・ベック上級大将を首班とする国防軍政権が成立。ソ連との講和を行う。
 ・親衛隊が反抗しなかったかって?全国指導者ラインハルト・ハイドリヒ閣下の聡明なご決断(訳:ただの寝返り)によって防がれましたとさ。
 ・しかし、ソ連から提示された講和条件はオーデル=ナイセ線への領土の縮小、軍備制限、共産党の政権参加など受け入れられるものではなかったため継戦を決定。
 ・この頃にアメリカもやっと事の重大さを理解して参戦。史実より約半年遅れてノルマンディー上陸作戦が開始される。しかし史実よりも強化されている防衛陣地を前に多数の損害を出す。
 ・フランス北部、ポーランド前面に侵攻する連合軍を前にドイツは敗勢を悟り連合国と講和交渉を開始。1945年の明けにドイツは降伏した。
・戦後の領土としてはドイツが戦前と同じ領土を保全されたこと以外の史実との相違点は特にない。
 ・ドイツの占領統治は連合国4か国が合同で行う…はずだったのだが、ソ連が猛烈な勢いで進駐を進めドイツ国境に「鉄のカーテン」を築き、ドイツを丸ごと赤化してしまった。
 ・ドイツに樹立された社会主義政権の名前は「ドイツ社会主義共和国(D.S.R.)」で、カール・リープクネヒトの樹立した社会主義共和国との連続性を強調している。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Menu

架空国家関係メモ

軍事関係メモ

編集にはIDが必要です