2.満州における永久要塞
 満州国境部における要塞群は、ソ連軍の予想侵攻経路上に位置しており、これを食い止めて主力軍の集結まで進撃を遅滞せしめ、以て主力軍の決戦を援護する役割を担っていた。この目的のため満州には14の永久要塞が築城され、第1から第14までの国境守備隊といくつかの要塞重砲兵連隊が駐屯していた。1945年8月のソ連侵攻時、この要塞群はその本領を発揮し、ソ連軍150万の侵攻に対しその進撃を食い止め、間島省や松花江省など満州東部方面における在留邦人(開拓民)の避難を結果的に援護した。中でも第15国境守備隊の駐屯する虎頭要塞の奮戦は有名で、その装備する41cm榴弾砲を以てシベリア鉄道線を一時切断しソ連軍の兵站を混乱せしめる等の戦果を残し、26日に2週間以上にわたる激戦ののち投降した。第15国境守備隊の総兵力1,800名に対し、この方面に侵攻したソ連軍は兵数2万を数え、虎頭要塞は10倍以上の兵力に対しその高い防御力を発揮した。

国境守備隊の一覧(1939年4月時点)
  • 第1国境守備隊(東寧要塞)*1
    • 第1地区隊(歩兵3個中隊、砲兵2個中隊、工兵1個中隊)
    • 第2地区隊(歩兵3個中隊、砲兵1個中隊)
    • 第3地区隊(歩兵3個中隊、砲兵2個中隊、工兵1個中隊)
    • 第4地区隊(歩兵5個中隊、砲兵3個中隊、工兵1個中隊)
    • 東寧重砲兵連隊(十榴16門、十五加4門、高射砲23門)
  • 第2国境守備隊(綏芬河要塞)
    • 第2国境守備隊歩兵隊(歩兵5個中隊)
    • 第2国境守備隊砲兵隊(砲兵2個中隊)
    • 第2国境守備隊工兵隊
  • 第3国境守備隊(半截河要塞)
    • 第3国境守備隊歩兵隊(歩兵5個中隊)
    • 第3国境守備隊砲兵隊(砲兵2個中隊)
    • 第3国境守備隊工兵隊
  • 第4国境守備隊(虎頭要塞)
    • 第1地区隊(歩兵4個中隊、砲兵1個中隊)
    • 第2地区隊(歩兵4個中隊、砲兵1個中隊)
    • 第3地区隊(歩兵4個中隊、砲兵1個中隊)
    • 第4国境守備隊砲兵隊(砲兵2個中隊)
    • 第4国境守備隊工兵隊
  • 第5国境守備隊(霍爾莫津要塞)
    • 第5国境守備隊歩兵隊(歩兵4個中隊)
    • 第5国境守備隊砲兵隊(砲兵2個中隊)
    • 第5国境守備隊砲兵隊
  • 第6国境守備隊(璦琿要塞)
    • 第6国境守備隊歩兵隊
      • 第1大隊(歩兵4個中隊)
      • 第2大隊(歩兵4個中隊)
      • 第3大隊(歩兵2個中隊)
    • 第6国境守備隊砲兵隊
      • 第1大隊(砲兵2個中隊)
      • 第2大隊(砲兵2個中隊)
    • 第6国境守備隊工兵隊
  • 第7国境守備隊(黒河要塞)
    • 第7国境守備隊歩兵隊(歩兵5個中隊)
    • 第7国境守備隊砲兵隊(砲兵3個中隊)
    • 第7国境守備隊工兵隊
  • 第8国境守備隊(海拉爾要塞)
    • 第1地区隊(歩兵3個中隊、砲兵1個中隊、工兵1個中隊)
    • 第2地区隊歩兵隊
      • 第1大隊(歩兵3個中隊)
      • 第2大隊(歩兵3個中隊)
      • 第3大隊(歩兵2個中隊)
    • 第2地区隊砲兵隊
      • 第1大隊(砲兵2個中隊)
      • 第2大隊(砲兵2個中隊)
    • 第2地区隊工兵隊
    • 第3地区隊(歩兵3個中隊、砲兵2個中隊、工兵1個中隊)
    • 第4地区隊(歩兵3個中隊、砲兵1個中隊)
    • 第5地区隊(歩兵3個中隊、砲兵1個中隊、工兵1個中隊)

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